Limit battle/第76話第76話~新しい世代の走り屋~修のサーキットでの走行が終了し、今現在はまた峠を攻める日々が続く。 現在の時刻・・PM.10:20・・ 修「・・結構走りなれたかな。今思えば去年だもんな・・俺が峠を攻め始めたのは・・。」 彼は星の少ない漆黒の夜に一人昔の事に浸っていた・・ すると、ここで修の携帯に一本の電話が掛かって来た。登録してない番号だ。 修(誰だ・・?) 彼は渋々電話に出た。 修「はい?」 ???『よー!』 修「・・・」 聞き覚えのある声だった。 修「あぁ。真か。」 真『おう、携帯変えたからな。』 修「あっそ。で、そんだけ?用は?」 真『いやいや、今お前何処にいんだ?』 修「今?今阿神の頂上で一服中。」 真『おい、タバコかよ!?』 修「ちゃうわ。コーヒーだ、ボケ。」 真『ワリーワリー。今俺もそっち向ってる途中なんでな。』 修「悪いだぁ~。運転しながら携帯かよ。捕まるぜ。」 真『いいの。まーもう数十分したら付く。』 修「はいよ。待っててやる。」 その後、電話を切ってランエボのボンネットに座った。 修(あー・・そういえば、美雪と付き合ってからまだ何もアイツの為になる事してねぇっけな・・明日アイツが学校終わったら 迎え行ってそのまま何処かへ買い物でもいいな。) 彼はそう、ふと思ったのだった。 しばらくして、頂上には修以外の走り屋で賑わい始めた。 修(人が多くなったな・・) ―と、一人の走り屋が修に話しかけて来た。 ???「おい、アンさんもここ走ってるんか?」 修「あ?そうだよ。」 ???「俺は柿本 豪太ちゅーんだ。一昨日走り屋デビューしたばっかりや!」 修「へぇ・・俺は佳山 修。じゃぁお前は後輩だな。」 豪太「ほ?じゃぁアンさんは何時頃から?」 修「去年。」 豪太「マジか!っじゃぁアンさん俺の先輩ちゅーことで走り教えてくれへんか!?」 その一言に修は数秒黙り込んで言う。 修「お前走り屋だろ?人に教えて貰ってもそれを自分で出来る腕になるまで時間が掛かる。だったら時間を無駄にしない様に 自分で出来るだけ練習してコンマ1秒でも速くゴールラインを通過する事を考えろよ。」 そのキツイ一言とも取れる言葉に対して豪太は― 豪太「っく~!アンさんムッチャえぇ奴だわぁ~!俺アンさんの舎弟になるわ!」 修「は・・はぁ?意味がわからねぇよ。」 豪太「俺はな、どうしても走り屋になりたかったんよ・・それが小さいとっからの夢でよ・・」 修「・・そうか・・。俺は最初は別に走り屋にはあんまり興味は無かったが、友達や兄さんのせいで・・、まぁ、成り行きかな・・」 豪太「ほほう。それよか、アンさんの車ゴッツゥすげぇ仕様しとるな。」 修「コイツか・・コイツは知り合いのショップの人が手がけてくれてさ。」 豪太「ほ~。そうなんか。えぇなぁ!俺の車はあれやねん。」 彼が指で指した所には黒黄色のCR-Xがあった。 修「うえ・・派手な色だな・・」 豪太「せやろ?でも、俺はあの色気に入ってるんやで?」 修「気に入ってるならいいんじゃねぇか?」 豪太「サンクス!」 と、豪太が笑顔で言うと、PAに入ってくる直6サウンドが聞える。 2人の前に真の240ZGが登場。 車から真が降りて来て、修に話しかける。 真「うっす。道混んでてよぉ・・遅くなっちった!」 修「そうか。あ、紹介するよ。コイツは俺のツレで・・馬鹿って言うんだ。」 真「おう!馬鹿だよろし・・死ね!修!」 修「ハハハ。コイツは高嶺 真。お汁粉が好きな変な奴。」 真「変な奴は余分だ。てな訳だ。宜しく・・えーっと・・」 豪太「俺は柿本 豪太や。宜しくぅな。」 真「関西弁か?珍しいな。宜しく。」 豪太「ほぅか?」 修「で、真よぉ・・お前何しに来たんだ?」 真「いやよ、車の足を少し変えたんだよ。リアの車高をフロントよりも少し上げてみた。」 修「へぇ・・なんなら一本バトルするか?」 真「いやいやいや、やめとく。お前相手だと勝てねぇし・・」 豪太「ガチでぇ!?修さんホンマモンかいな!?」 修「何だよ、そのホンマモンって・・」 豪太「アレやアレ、ガチで速ぇ奴の事を言うんよ。」 すると、真が― 真「まぁ、豪太じゃコイツには勝てねぇよ。俺はお前に勝てる気するがな。」 修「ナメてるとお前ボロ負けすんじゃね。豪太の車はCR-Xだからよ。」 真「はぁ?CR-Xゥ?・・お、お前俺のZが勝てねぇってか?」 修「うん。」 真「おいッ!!」 豪太「ワッハハハハ!」 彼は修と真のやり取りで豪快に笑う。 すると、修の携帯にもう一本電話が入る。 修「もしもし・・美雪?何?」 豪太「美雪・・女?」 真「うん、修のコレ・・」 彼はそう言って、右手の小指を立てる。 ―と、真の後頭部に修の拳が炸裂。 真「あいたぁー!」 第77話へ続く。 |